核兵器禁止条約・・・柄に描いモチ

<題名;核兵器禁止条約・・・絵に書いたモチ?>R3-1-23 

 太平洋戦争末期に、広島に投下された核爆弾リトルボーイは、一瞬の内に13k㎡を焼け野原にし、12万人以上の命を無残に奪った。戦後、核爆弾の破壊力の大きさから米ソをはじめ大国は最有力な武器としてその保有を競った。その結果、現在では地球を7回も火だるまにする核兵器が臨戦体制にあると言う。

 一方、終戦からこれまで、広島と長崎での破壊力の大きさとその無残な様相が世界中に伝え続けられ、核兵器廃絶の声が広がり、遂に核兵器禁止条約の発効にまでこぎつけた。活動家達の夢が結実した事になった。

 だが、核兵器保有する国々と紛争中の国々は依然としてその圏外に有る。紛争を制し、自国の勝利を担保するための最良の武器としてこれ等の国々が保有する核兵器は、紛争とその可能性が皆無になるまで廃棄される事はないだろう。現在、世界各地で紛争によって住処を追われて難民となって彷徨っている人々は1千万人を超えると見積もられている。難民の数はなお増加の傾向にあるが、紛争は更なる紛争を呼び終わる気配にない。

 核兵器禁止条約・・・夢は夢。絵に書いたモチである。ぼたモチは美味しそうで食欲をそそる。だが食べる事はおろか掴む事さえでき無い。所詮ゴマメのバカ騒ぎ、・・・・。

     福島 勇 ; 作家(主たる分野;理論生物学、理論物理学